ウッドデッキは家庭菜園やガーデニングをしたり、バーベキューや物干し場など多岐に渡り活用することができる便利で思い出の作りやすい素敵な空間です。そんなウッドデッキも手入れを怠ったり、長い年月が経つとボロボロになってしまいいつの間にか使用しなくなってしまうという方も少なくないのではないでしょうか?
見た目では問題なくても内部がボロボロのスカスカになっており危険な状態だったりと、長い年月が経つとどんなにメンテナンスをしていても朽ちてしまいます。ウッドデッキの平均寿命は20年と言われており、耐久性の優れた木材、ウッド素材を使用してもそれくらいになります。
そういったウッドデッキは放置すると様々な危険、トラブルを招いてしまうデメリットがいくつもあるため解体などの対処が必要になります。この記事では脆く、古いウッドデッキを放置することの危険性や自分で解体する方法、業者に依頼する方法など細かく解説していきます。
ウッドデッキの経年劣化に悩まれている方はぜひ最後まで読み、参考にしてください。
ウッドデッキとは
ウッドデッキはその名の通り、木材や木材樹脂を混合した合成木材で造られた床や板を連続して並べて造ったものを指します。基本的にはリビングなどと一体化させたり、屋外に設置したりなどしてプライベートな空間でアウトドアなどを楽しむことができるようになります。
ウッドデッキは床下に空間を設けて床板の高さを一定にしたものを指し、ベランダなどに木製のパネルを敷くことをウッドパネルと呼びます。ウッドデッキを設置するメリットは様々でリビングの延長にしたりすることで、開放感を演出し広く見せることができます。またアウトドア用品などを揃えることでカフェのようなオシャレな空間にすることができるため、自宅の雰囲気を華やかにします。そのほか冒頭で紹介したように、バーベキューやガーデニングなど様々な用途に使用することができます。
ウッドデッキに使用される素材
ウッドデッキに使用される木材は大きく分けて2種類あり、「天然木」と「樹脂・人工木」に分けられます。それぞれ素材によって特徴が異なり、触った時の質感や見た目はもちろんのこと、施工生・メンテナンス性にも差が出ます。
天然木
天然木は自然に育った樹木をベースに切り出し整えられた木材のことを指します。天然木を使用したウッドデッキは使用する木材の特性が色濃く反映されるため、どのような雰囲気にしたいかなど決まっている人は特にこだわりの強くなるポイントです。
天然木も大きく分けると2種類に分けられます。「ハードウッド」と「ハーフウッド」の2つです。ウッドデッキは丈夫さも重要になるためハードウッドが適していると言われています。
・ウリン : 木肌が綺麗で美しく高級感を演出できる
・アマゾンジャラ : ウリン代替材として使用されることが多く、赤褐色で重厚感を演出できる
・イペ : 木目が詰まった木材であり、高級感を演出できる。色は黄褐色〜赤褐色
・セランガンバツ : 緻密かつ重厚な木目を持ち、色味が明るい。色は黄褐色〜赤褐色
・オーストラリアサイプレス : 木肌に節が出るので、木材の趣を演出したい方にはピッタリ。色は黄褐色
・アコヤ : 木材に酢酸を用いてアセチル化処理を施した耐久力の高い木材。色は白色
樹脂・人工木
天然木に似せて工業的に作られた木材を指します。それぞれ3つの種類に分けることができます。
・樹脂と木粉を混ぜ合わせて成形したもの : 細かな木粉を樹脂が接着剤の役割として固まる
・樹脂のみを原材料に成形したもの : PP・PE・ABS樹脂などのプラスチック再生材のみを使用している
・メーカー独自の素材、原材料を使用したもの : メーカーにより質感や強度、機能性が異なる
ウッドデッキを解体する目安
一般の方では自の家にあるウッドデッキがまだまだ大丈夫なのか、本当は危険なのかなど判断するのは難しいでしょう。ここではウッドデッキを解体することを検討する目安を紹介していきますので、ウッドデッキを設置している家に住まれている方はぜひ参考にしてください。
1. 木材の寿命
木材には寿命があるため、どんなに手入れやメンテナンスを行ってもいつか朽ちて危険に晒されます。木の種類によって年数は異なりますがソフトウッドと呼ばれるスギ(杉)やマツ(松)などは数年、丈夫で耐久性に優れているハードウッドのイタウバやフィエラでも20年とされています。
木材は水を吸う、吸収する性質を持っているため無垢材の吸水性、吸湿性に優れた心地いい空間を作ってくれるメリットはあるものの、木材不朽菌が繁殖しやすいというデメリットも兼ね備えています。そのためどんなにメンテナンスをしていても木材の腐食は避けられないのです。
そのため底抜けなどで怪我を招く恐れがあるため、木材の寿命が近づいたらウッドデッキは解体したほうがいいと言えます。
2. シロアリ被害
木材を使用するというのはシロアリ被害に遭う可能性があることも考慮しなくてはいけません。シロアリは湿度の高い空間やカビ、腐敗したものを好みます。そのため自然と増殖する木材不朽菌を求めてウッドデッキの内部に住み着く可能性があるのです。
日本は1年を通して湿度の高い国なので外に設置するウッドデッキは腐食を避けるのが難しいのです。シロアリの住処になった場合はウッドデッキだけでなく、家自体に直接被害が出る可能性もあるため早急に対処が必要になります。シロアリが住み着くことで木材の内部はスカスカになり柱が倒れたり底抜けの原因になります。怪我に繋がり最悪の場合命にも関わります。シロアリや近くに羽蟻が飛んでいるのを発見したらすぐさま、ウッドデッキを処理しましょう。
ウッドデッキは自分で解体できるのか
結論からお伝えするとウッドデッキは自分で解体できます。ウッドデッキ自体はそこまで複雑な作りになっていないのと、規模感が大きいものではないので必要な道具と正しい手順を踏んで行えば危険もなく解体することができます。ただ道具を使い慣れていない方は時間と労力を要するので道具を準備するコストや手間、解体する体力と時間をかけられるかが重要になるのでそれらと業者に依頼することを比べてどうするかを決めましょう。
ウッドデッキ解体に必要なもの
ウッドデッキ解体に必要な道具は以下の通りです。
・電動ノコギリ : ウッドデッキの板を解体するために必要
・バール : 釘を抜いたり床を捲るために必要
・電動ドライバー : 錆び付いているネジを抜いたりするために必要
ウッドデッキの解体手順
ウッドデッキの解体は正しい手順で行えば難しいものではありません。基本的にはウッドデッキを作る時と逆の手順で解体することになります。床などを全て剥がし終えたら、骨組みの解体になります。
まずはラティスや板塀の取り外しから始めて床材を剥がしていきましょう。骨組みは電気ノコギリを使用し基礎を解体していきます。
最後にウッドデッキの束石や床束を取り除く解体完了です。解体自体は難しいものではないので一つずつ丁寧に解体していきましょう。解体後の処分は地域の自治体で決められている方法で処分しましょう。
- ラティス・板塀の取り外し
- 床板・床材を剥がす
- 根太・大引きなどの解体
- 束石や床束の回収
解体した木材の処分方法
ウッドデッキの解体後、廃材が相当な量になります。一般的にウッドデッキで使用している木材は燃えるゴミで処分できますが燃えるゴミで出せる量ではない可能性もあるので、大量の廃材を処分する方法などは地域の自治体のホームページなどで調べるか、問い合わせるようにしましょう。
またウッドデッキの解体後は木材だけでなく釘やネジ、ボルトなども出てきます。これらの金属は燃えないゴミで処分し自治体によっては資源ごみとして回収してもらいましょう。
ウッドデッキを支える束石などはコンクリートかレンガでできているため一般家庭では処分することが難しいでしょう。これらの処分は自治体で処分することが難しい可能性が高いため、業者に依頼しましょう。
ウッドデッキの解体作業は基本的に屋外になるため、解体時の思わぬトラブルで家に傷を付けたり、庭に置いてある倉庫を壊すなどといったことには十分気をつけましょう。また夏場の暑い時期の作業は熱中症の原因にもなるのでそれらにも注意が必要です。作業する時期や時期に合わせた準備も怠らないようにするといいですね。
業者に解体を依頼する場合
ウッドデッキの解体は在住している地域の工務店や解体業者、便利屋などに依頼することになるでしょう。業者によって費用は大きく変わるので安く解体をしたいのであれば、相見積もりなどで費用を比べましょう。しっかりと最後まで処理をしてもらいたい場合は、便利屋などでなく解体業者など専門業者に依頼することをおすすめします。
解体費用
・業者 : 出張費 〜1万円/人件費・処分費 2〜10万円
・自分で解体 : 工具などの費用 〜2万円 / 処分費〜1万円
業者に依頼する場合はウッドデッキの大きさや事業所から現場までの距離などで費用が異なります。そのためそういった細かい明細、見積もりを出してもらうようにしましょう。現場見積もりをしてくれる業者に依頼しないと作業終了後、追加で費用請求される可能性などあるのでそれらにも注意しましょう。
費用を抑えたいという方は自分で解体することをおすすめします。ウッドデッキの解体は特別の許可や資格は必要ないので道具を揃えて、安全に気をつけて解体しましょう。
見積もり項目
見積もり項目は明確にされている業者を選択しましょう。以下で紹介する項目があることに注視しておきましょう。
基本料金
作業量などに関わらず依頼した時点で発生する費用です。業者によって基本料金は異なります。基本料金にどれだけのサービスや作業が組み込まれているのかを確認しておくといいでしょう。
作業料金
作業料金はウッドデッキなどの床面積などで費用が変わります。業者によって費用の変動が一番大きい項目でもあります。基本的には1時間あたりの料金で設定している業者も多いようですが人数で費用を決めている業者もあるので、それらも含めてかかる費用を冷静に判断して依頼するか決めましょう。
・㎡で設定されている費用
・作業時間あたりで設定されている費用
・作業人数で設定されている費用
基本的に相場感としては1時間あたりの作業料金3,000円前後、日当で管理している業者では1日あたりどんな時間でも1.2万円〜1.5万円です。
一般家庭のウッドデッキくらいの広さであれば、準備、解体、搬出等、全て終えるのに半日程度の時間があれば十分でしょう。どれくらい時間がかかる想定なのかもしっかりと聞いておくといいでしょう。業者によっては見積もりがざっくりとしすぎて要領を得ないケースもあるので丁寧に解説してくれる業者を選ぶことをおすすめします。
処分料金
ウッドデッキ解体後に出る廃材の処分費用も項目に含まれます。業者によっては処分無料という業者もありますがそれだけで決めないよう気をつけましょう。基本的に廃材の処分は中間処理施設に廃材を持ち込んで費用を支払い処分してもらいます。そのため作業料金と別で費用がかかることは基本と考えておきましょう。自社で廃棄場や処理施設を所有している業者もあるのでそういった業者は比較的、処分費用を安く抑えることができます。
中には不法投棄などで料金を安く抑えようとする悪徳業者もあります。この場合、解体工事などを依頼した依頼主に罪を被せて罰せられるといった事例もあるため、少しでも怪しいと思う業者にはどう処分するかなども細かく確認しておきましょう。
追加料金
追加料金など発生するケースは廃材などを搬送するためのトラックなどが近くに停められないなどといった場合です。廃材を人力でトラックまで運び出さないといけないため、労力と時間がかかり追加料金が発生します。また2階のウッドデッキなど高所で危険が伴う作業は追加料金がかかります。
ウッドデッキのメンテナンス方法
ウッドデッキは冒頭でも伝えたように劣化を避けることはできません。そのためいつかは必ず解体する日がきます。ただウッドデッキを正しく、こまめにメンテナンスすることで長い年月使うことができます。ウッドデッキを長く保たせる方法は以下の通りです。
・日頃からこまめに掃除、補強を行い綺麗かつ傷を作らないようにする
・1年に数回、デッキブラシなどの掃除用品や高圧洗浄機で徹底的に綺麗に妥協なく掃除する
・1年に1回は塗装、ワックスがけをする
基本的に油汚れなどがない場合は箒などの掃き掃除で十分です。鳥のフンなどが付着する場合がありますのでそれらは水拭きなど雑巾を使用して綺麗にしましょう。
メンテナンスとして最も重要と言えるのが塗装やワックスがけです。塗装が剥がれたところは木が痛みやすく腐敗を進めます。防腐、防水の塗装、ワックスは紫外線や雨風にさらされることで効果が薄まるので1年に1回は塗装してあげましょう。紫外線を浴びすぎることで変色し、景観を損なったりもするのでそれらも含めて塗装は重要になります。
塗装はペンキなどではなくオイルステインという通気性に優れ、撥水効果の高いものを使用するといいでしょう。これらを塗装するときは一度徹底的に綺麗にしてから日光で自然乾燥させて塗ることをおすすめします。
業者依頼で費用を抑える方法
費用はなるべく抑えたいけど自分で解体するには不安という方のために、費用を抑えながら業者に依頼する方法を紹介します。DIYなど日曜大工に慣れている人や、解体業者など鳶職を経験している人からすればウッドデッキの解体は難しくありませんが、慣れていない人は業者に依頼するほうが無難でしょう。費用を抑える方法は以下の通りです。
・部分的に自分で解体作業を進めておく
・複数の業者で相見積もりを行う
・処分などは自分でするなど業者に依頼する工程を減らす
これらをしておくことで費用を抑えることができます。ウッドデッキの解体で大変なのは基礎となる部分の撤去や廃材の処理です。そのため床の分解、剥がし作業は自分で行うなどしておくと安くなります。
また複数業者に見積もりを出してもらい、あえて先方に相見積もりですと伝えると費用を安くしてくれたりします。そうすることで法外な高額費用を請求されることも防ぐことができます。
また見積もりなどの提示で気をつけてもらいたいのが安すぎる見積もりです。工事完了後の追加費用の請求や手抜き工事をされることがあるため、安すぎればいいというのは避けましょう。
まとめ
ウッドデッキなどは思い出を作りやすい空間のため、思い入れも深くなかなか解体するという選択ができないでしょう。ですが自分や家族の身を守ることを考えるのであれば、解体をしたほうがいいケースもあります。シロアリ被害などで思わぬタイミングで解体しなくてはいけないケースもあるでしょう。そういった時は費用面やサービスの内容、スタッフの対応の仕方など総合して気持ちよく依頼できる業者を見つけましょう。
費用を極力抑えたいという場合は、自分での解体も検討しましょう。費用を抑えることで新しく設置することも可能なので先のことまで考えるのもいいでしょう。
解体をする際は様々な場面、状況を考え冷静に判断しどう解体するかを決定することをおすすめします。
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