コロナ感染拡大の影響もありガーデニングや家庭菜園などを自宅でする人が増えている傾向にある昨今ではそれに伴った害虫被害や雑草被害などに悩む人も増えていると言います。そんな中でつる草が伸びきってしまいどうすればいいかわからないという方もいるようです。害虫や雑草などであれば一般的な駆除方法や草抜く、草刈りをすれば問題ないですがつる草は絡まり方が複雑であったりフェンスや壁などに根付いてしまうと処理がとても困難になり苦労することになります。

この記事ではそんなつる草の被害に悩む人の助けになるようつる草の種類からそれらの駆除方法など生態から対策方法などを細かく解説していきます。現在蔓草に悩まされている方やこれからガーデニングや家庭菜園をしようと考えている方はぜひ参考にしてください。

つる草はどんな被害を受ける?

つる草は景観や美観を損ねるだけではありません。その高い生命力が原因で周囲の植物が必要とする栄養まで奪ってしまい周辺の植物の生育を阻害することもあります。また樹木や盆栽などに絡みつくことで縛り上げ、折り曲げてしまうこともあります。こういっ周囲の植物への悪影響が強く出るのです。また先でも伝えたように生命力が強いため地上の茎などを刈り取ったとしても簡単に生長し再生します。こういったことからも駆除が非常に困難でとても厄介な存在と言えるのです。闇雲に目に見える蔓草を処理するだけでは根本的な解決が期待できないため、しっかりとした対処を心がけるようにしましょう。

また家やビルなどの建物にも絡みつくつる草もあります。エアコンのホースや排水管など管となるものに絡みつきそこから建物全体につる草は広範囲に伸びていきます。古い住宅などで蔓草が全体に絡みついている光景を見たことがある人もいるでしょう。つる草は一度伸ばし絡みついてしまうと駆除が大変なため放置してしまいつる草が生い茂った状態になってしまうのです。ちょっとしたつる草も油断することなく駆除していきましょう。

つる草の種類

つる草にも多くの種類がありますがここでは一般的に目にするものや厄介となるつる草を紹介していきます。蔓草によって対処法が異なるケースもありますのでどのしっかりとつる草の種類、生態を把握しておきましょう。

ヤブカラシ

一般的に絡みつくタイプのつる草ですが絡み付かずに伸びる雑草としても相当厄介なつる草です。一般的人もよく目に、管理、整地している土地によく生えるため紹介していきます。

・科目 : ブドウ科
・種類 : 蔓性の夏生多年草
・分布 : 北海道(西南部)以南
・学名 : Cayratia japonica (Thunb.) Gagn.
・別名 : ヤブガラシ,ビンボウカズラ

生育のリズム、スケジュールとしては暖かくなる4月頃から生育期が始まり、冬に入る前の11月頃に生長が止まります。暑くなる夏本番の7月からは開花、結実します。

ヤブカラシの特徴

ヤブカラシは地下部、地中で栄養を蓄え繁殖します。地上茎で萌芽し地上に出てから30cmほど伸長するとつる草特有の巻いた細いツル、巻きひげを出します。その巻きひげがヤブカラシ周辺にあることでその物体に巻きついていきます。

やぶからしは「藪に絡みつき枯らしてしまう」という名前の通り、周辺に生育する植物や樹木にも絡みつきその植物全体に被覆することで枯死させる力を持っています。畑などを抱えている農園でも被害は相次いでおり、茶畑やサトウキビ畑などに繁殖してしまうと仕事に影響するため非常に厄介とされています。

一般的に目にする地上に出ている茎や葉は冬期の寒い時期には枯れてしまいますが地下部は生きており、暖かくなるのを待ちながら越冬します。地下茎から繁殖する多年草なので草刈りや除草剤で目に見えるところだけ駆除しても根本的な解決につながらないので、近く木まで枯らすことができる葉茎処理剤タイプの除草剤を使用するようにしましょう。

生え始めのまだ短い状態であれば根から抜くことも容易なので早めに草抜きするのも効果的です。グリサート系の非選択性の薬剤はすべての植物を枯らしてしまうので畑など自分で育てている植物付近に生えてきた場合、高濃度に希釈した薬剤を他の植物にかからないよう、ヤブカラシにだけ直接塗るのも一つの手です。

葛(クズ・くず)

ヤブカラシ同様地下茎で繁殖するタイプの多年草で非常に厄介なつる草です。大きな塊根を作ることも葛の一つの特徴と言えます。

・科目 : マメ科
・種類 : つる性の多年草
・分布 : 日本全土(地域問わず分布)
・学名 : Pueraria montana var. lobata
・別名 : ヤブガラシ,ビンボウカズラ

葛の特徴

葛の最大の特徴は先ほど伝えたように根を大きくする塊根を持つことです。大きなものではさつまいもくらいの大きさまで生長します。この根の大きさからわかるように周囲の地中の栄養を根こそぎ奪っていくほどの生命力をもっているため周辺の植物に生育を阻害するといったデメリットを持っています。この大きさまで生長した塊根は除去するのが非常に困難になるので強力な除草剤が必要になります。分布では日本国内だけを伝えていますが、海外にも葛は存在しアメリカではその繁茂力、拡散力の威力から有害植物、侵略外来種として認定され最も嫌われる植物の仲間入りをしています。

葛は新芽が地上に出てきたタイミングで素早く根から抜くことをお勧めします。この手の植物は地下茎が厄介になるので鎌や草刈機で草刈りをしてもすぐに伸びてくるため一度でしっかりと駆除できるようにしましょう。傷ついた植物はより成長しようと生育スピードを早める傾向にあるため草刈りは逆効果となる場合も大いにあります。

葛はその生命力から一般的な除草剤では駆除しきれない可能性があるという難点を持っています。新芽からある程度伸長し根から引き抜くことが難しい場合。高濃度に希釈(薄めること)した薬品を刷毛などで直接塗ると効果的です。また除草剤を染み込ませたピンなどを葛の茎や根の付近にいくつか差し込むことで地下茎を直接枯らすこともできます。

カラスノエンドウ

カラスノエンドウは先で紹介した2つのつる草とは異なり、種子から繁殖し成長する冬生一年草です。畦道などの草が生い茂る整地されていない土地や田んぼや水田、麦畑、空き地に私有地となる庭によく見られるようになります。

・科目 : マメ科
・種類 : つる性の冬生一年草
・分布 : 本州以南
・学名 : Vicia sativa L. subsp. nigra (L.) Ehrh. var. segetalis (Thuill.) Ser.
・別名 : ヤハズエンドウ

カラスノエンドウの特徴

カラスノエンドウは冬生の一年草で寒くなり始める9月に生育期が始まり暑くなる6月まで生長を続けます。梅雨が始まる頃には枯死しますが、特徴としては1年の長い間伸びているということです。またもう一つの特徴として、出芽深度が10cmという深さを持っており、種子が大きいことです。種子が大きいことで麦に類似しているため麦畑などに繁殖すると麦との判別が難しく異物混入の危機にさらされます。農家にとって非常に厄介で大問題に繋がるとして農家の方達からも嫌われる植物の一つです。

カラスノエンドウは出芽深度がとても深く手作業で抜くなどが困難な植物です。そのため土壌処理剤の効果が期待できない植物でもあります。根本解決を目指すのであればより強力な非選択制の除草剤を散布するといいでしょう。畑などに生育してしまった場合は選択制の薬品を使用します。ジフルフェニカンが薬品に配合されているリベレーターフロアブルなどは有効とされているのでおすすめです。

つる草にやってはいけない駆除方法

つる草は一般的な雑草とは異なるため、普通に雑草と同じ除草をしても効果が期待できません。ここでは雑草と同じだからとついついやってしまうが効果の期待できない除草方法を紹介します。ここで紹介する除草方法は絶対にやらないようにしましょう。

草刈り

雑草の処理方法でまず思い浮かべるのが草刈機や草刈り鎌を使用した草刈りではないでしょうか?つる草は根っこの部分が生きている多年草の種類がほとんどで、地上に出ている茎や葉を刈り取っても再度生えてきます。根本的な解決にならない上に一度傷つけられた箇所を修復しより生長しようと与えられたストレスの分伸長する性質を持っているのでより生長させてしまうという可能性も十分にあります。

そういったデメリットを考えた時つる草に草刈りをするのはマイナスでしかないので草刈りをしないよう気をつけましょう。

砂利を敷き防草対策をする

砂利を敷くというのは雑草が生えてくることを防止する防草対策には十分な効果を発揮します。そのため雑草には砂利が効果的というふうに考える方も多いかと思います。ですがつる草に至っては効果がまったく期待できません。一度根付いたつる草は光合成をしなくても生き続けることができるよう地下で成長をします。そのため生育期に入ると砂利の隙間から茎を伸ばし生長します。砂利を敷いていることで処理の邪魔になるなどといったデメリットも生まれてしまうため、つる草対策に砂利を敷くというのは注意が必要になります。

つる草の正しい駆除方法

つる草が一番厄介な理由は壁や柱などに巻きついて密着した状態で成長することです。駆除が面倒な上に範囲が広くなるため一般的な雑草よりも厄介です。ここでは壁に巻き付いているつる草の駆除方法を紹介していきます。

  1. 「ノコギリ・片手鋸・剪定ハサミ・草刈鎌」などを使用して、地表に現れた太く丈夫なツタの茎を細かく切る。
  2. 壁など高いところにも伸ばしている場合。まずは手の届く範囲で「高枝切りハサミ」を使用し、壁面のツタを大まかに切る作業を施す。
  3. 園芸店やホームセンターで販売されている「壁削り」という名の道具を使用して、外壁にヘラに類似した部分を密着させ擦るようにツタを剥がす。
  4. 壁全体の見える範囲のツタを剥がし終えたら、事前に切っておいた太く丈夫な茎に穴をあける。
  5. 開けた穴に用法療法を守った除草剤を丁寧に注入していく

この手順で処理することで地下にまで伸びた根まで効果を発揮し根本的な解決につながります。つる草の厄介なところは地下茎が生きていることで何度でも生育することです。そのため根本解決の期待できるこの方法で駆除していきましょう。

尿素を利用した除草方法

一般的な除草剤などに尿を、チッソ肥料を混ぜ込むことで農薬や除草剤の効果を高めることができます。尿素を入れることで除草剤に即効性が加わり枯れ始めるまで迅速になります。除草剤の効果にムラが出なくなるので素人の方でもしっかりと根絶することが期待できます。薬品を混ぜ込むことは危険を伴うので尿素を掛け合わせても良い除草剤を使用したり、園芸店の方からアドバイスを貰った上で使用することを強くおすすめします。

つる草が生えてこないようにするための事前予防

つる草は除草と同時に予防も大切になります。ここではつる草に効果的な正しい予防方法を紹介していきます。

「まさ王」や「永土」などの固くなり草が生えてこない土を使用する。

雑草対策にもなる草が生えない土を使用することでつる草の予防も期待できます。この土の特徴は雑草の根を取り除いた上で、その上からこの固くなる土を撒き、混ぜることで地面がミチミチに固まりつる草が地表に出ることを抑制する働き、効果があります。

防草シートを使用する

事前に除草、種子や茎などもしっかりと取り除いた状態で防草シートを設置することで成長する前に太陽の光、を遮断し光合成させず生長を妨げ抑制することが期待できます。しっかりと除草、駆除をしないと生命力の強いつる草は再度伸びてきて防草シートを突き破ったり、隙間から出てくる可能性もあるので事前の駆除を徹底しましょう。

防草シートの上から砂利を敷き詰める

先で砂利を敷くのは効果的ではないと伝えましたが、防草シートと組み合わせる方法は例外です。防草シートに砂利を敷くことで重さが加わり防草シートの効果を引き上げてくれます。また重さによるストレスが植物の成長を妨害するので防草シートと合わせる方法は1番の対策方法となります。

まとめ

一般的な雑草とは異なり、縦横無尽に張り巡らせ困らせてくるつる草について解説しましたがいかがでしたか?どのつる草も驚異的な生命力を持っており、初期段階に素早い駆除を行わないと非常に厄介な被害を招いてしまいます。また生い茂ってからの駆除はとても大変になるので常に自宅周辺、私有地の草チェックは怠らないようにしましょう。

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