様々な理由から庭木などを処分したいと考える方も多いのではないでしょうか?庭木は景観を良くしたり、外部からの視線を遮断する役割など多くのメリットを生みますが、大きくなりすぎることで近隣、隣家に迷惑をかけたり害虫の発生で困ったりなど時にはデメリットに繋がることもあります。

そんな時に庭木を処分したりどうにかしたいと考えるものです。庭木など木の処分は伐採をするものと考えがちですが実は伐採以外にも処分方法があります。それは木を枯らすことです。

植物を枯らすには水を絶ったり、肥料を上げないようにしたり、日光に当たらないよう防いだりなどすると枯らすことができます。ですが木に対してそれを行うのはとても大変です。そのため木を枯らすのであればそれ専用の方法を用いる必要があります。この記事ではその木の枯らし方を紹介していきますので、庭木に困っている方や木の処分を考えている人はぜひ参考にしてください。

自分で木を枯らすことはできる?

まず結論からお伝えすると木を自分で枯らすことは可能です。ですがしっかりとした正しい知識を持って作業をしないと怪我の原因になったり、薬品などの影響で子供やペットに悪影響を及ぼす可能性があります。それらの危険性を理解した上で正しい方法で枯らすようにしましょう。

自分で木を枯らすには2種類の方法があります。それぞれの方法は以下の通りです。

・巻き枯らしの方法
・除草剤を使った方法

これらは木への養分の配給の妨げにしたりすることで枯らす方法です。巻き枯らしの方法では木が根から養分を吸い上げ、表皮を辿り、幹や葉に養分を送る流れを断ち切る方法になります。

またもう一つの除草剤を使用して枯らす方法は薬剤の成分を使用して木を枯らします。一般的に雑草などに効果があるものでもしっかりと樹木に浸透させることができれば大木でも枯らすことができます。除草剤は切り株を枯らす時などに使用するケースもあるので効果覿面です。

塩や漂白剤、シンナーで木を枯らすことはできる?

ネットなどで木や植物に塩や漂白剤、ハイター、シンナーを用いると木を枯らすことができるという話しが出回っていますが実際は効果が無く枯らすことができない上に危険を伴うので絶対にやらないようにしましょう。

塩を使用するとその土や周辺にも影響が残り、新しい植物を育てるのが困難になる可能性かあります。また塩や酢を使用すると雨などで他のエリアに流れ出てしまうため、周囲の土壌や配管などにも問題を及ぼします。私有地以外にも影響を出してしまう可能性が大いにあるのです。

漂白剤、シンナーの使用は単純に危険なのでやめましょう。人体に悪影響を及ぼす薬品のため、大量に使用すると危険です。またペットなど飼っている場合、それらを含んだ植物や土などに口をつけると最悪の場合死んでしまうこともあるため絶対に使用することは避けましょう。

巻き枯らしのやり方

木にも様々な種類があります。その種類によっては枯れにくいものや枯らしやすいものがあります。それらをしっかりと把握することで対処法も変わります。

実際に枯らしにくいとされる木は「常緑樹」です。冬でも葉を身につけ続ける気は生命力も強く枯らすのが困難になります。主な常緑樹は以下の通りです。

・金木犀(キンモクセイ)
・茶梅(サザンカ)
・シマトネリコ
・杉(スギ)
・松(マツ)

常緑樹は落葉樹よりも丈夫なためしっかりと巻き枯らしを試みても、次の活動シーズンには芽を生やす可能性は十分にあります。また落葉樹よりも枯れるまでの期間を長く要する可能性もあるのでそれらもしっかりと念頭に入れておきましょう。長い年月かかることを理解していないと効果がないのではないかと感じるので樹木を枯らすにはある程度期間に余裕を持って取り組みましょう。

巻き枯らしを行うなら4月〜8月

巻き枯らしはその名の通り樹皮を剥ぐことで枯らす方法になります。そのため樹皮が乾燥して硬くなる冬の時期は、樹皮を剥がしにくく作業が困難を極めます。そのため巻き枯らしを実施するのにオススメなのは暖かくなる4月から暑さの感じる8月の春〜夏にかけて実施することをおすすめします。

巻き枯らしに必要な道具

巻き枯らしのやり方でも「ロープで縛り付ける」方法と「樹皮を剥ぎ取る」方法の二つがあります。それぞれ必要になる道具が変わりますので順番に紹介していきます。

樹皮を剥ぎ取る方法

一般的な巻き枯らしの方法だとこちらの方法でしょう。基本的な方法ですので初めて木を枯らすというのであればこちらがおすすめです。この方法で必要な道具は以下の通りです。

・手ノコ or バール
・チェーンソー or ノコギリ
・マイナスドライバー
・ハンマー
・軍手

軍手は必須アイテムです。樹皮は硬く尖っている部分もあったりするため怪我に繋がる可能性が大いにあります。そのため軍手は予備も含めていくつか準備しておきましょう。

次に樹皮が柔らかく剥ぎやすい木であればバールや手ノコを使用しましょう。これらを使用すれば簡単に剥ぐことができます。樹皮が硬くバールなどでは困難な場合、チェーンソーやノコギリで削るように剥いでいきましょう。

巻き枯らしの手順

  1. チェーンソーやノコギリで表皮に1cm程の切り込みを樹木に1周分入れる
  2. 1の切り込みから20〜30cm下に同じように一周分切り込みを入れる
  3. 1,2を繋ぐように縦に切り込みを入れる
  4. 柔らかい樹皮であれば手で剥いでいく。難しいようであればバールなどを使用して剥ぐかマナスドライバーを切り込みに約45度の角度で差し込みハンマーなどで叩きながら剥いでいく
  5. 1周分剥いだら位置をずらして同じ作業を繰り返す。

基本的にはしっかりと樹皮を剥ぐことができれば栄養が上部の枝や幹にいかなくなるので枯らすことができます。ただし剥ぐ場所を間違えてしまうと効果は見込めないのでなるべく低い位置の幹に行い、根元まで表皮を剥がすと効果的です。

ロープで縛り付ける方法

基本的に必要なものは「ポリエチレン製のロープ」です。ポリエチレン製は雨風などにも強く耐候性や耐久性に優れているので屋外に使用するには最も適していると言えるでしょう。

ロープで縛り付ける方法の手順

  1. ロープを準備して軍手を装着
  2. 木の幹に準備したロープを2-3回巻きつける
  3. 強くキツく巻き付けて、解けないようしっかりと縛り付ける
  4. 隙間がないか確認し外れないかの強度も見ておく

この方法はとにかくキツく結びつけることが重要になります。一人でキツく結ぶのが困難な場合、誰かに手伝ってもらうのものいいでしょう。

この方法はキツくロープを縛ることで木の成長と合わせてロープがどんどん幹に食い込むことを期待します。そうする事で樹皮を伝って栄養素を運ぶ通路、経路を遮断でき栄養を運搬できないようにする仕組みです。

最も時間のかかる方法ですが時間をかければしっかりと枯らすことができます。最初の縛り付けが重要になるので隙間チェックや緩くないかのチェックは妥協なく行いましょう。一番リーズナブルかつ手間が必要ないので木の処分に焦っていないのであればこの方法がオススメです。

除草剤で木を枯らす方法

除草剤を使用しての木を枯らす方法も複数あります。処分したい木の状態や庭、敷地の状態を考慮してどの方法が適しているかを判断した上、除草剤で枯らしていきましょう。

また除草剤ではなく灯油を使用した方法もあります。灯油というと危険性を感じるかもしれませんが、しっかりと手順を踏めば危険性はないのでこの方法を検討するのもいいでしょう。

準備する道具

・液体の除草剤
おすすめは「ラウンドアップマックスロード 500ml」です。グリサホート系の成分は植物の酵素の働きを阻害して枯らすことを期待できるのです。拘りがないのであれば「ラウンドアップ」を選びましょう。
・ドリル
電動ドリルがオススメです。充電式よりパワーが期待できますがないのであれば充電式でも問題ありません。枯らしたい樹木に穴を開けて薬剤を流し込む際に使用します。
・ジョウロ・スポイト
薬品を注入したり散布するため
・ノコギリ
切り口に薬品を塗るために木を切る際に使用
・刷毛
薬品を塗るために使用
・ビニール袋
薬品などが乾燥しないように被せて使用
・ビニールテープ ot ラップ
除草剤が溢れ出ないために塞ぐ蓋の役割に使用

木の根元に散布して枯らす方法

除草剤は「液体タイプ」と「除草剤タイプ」の2種類あります。どちらを使用してもこの方法であれば枯らすことができます。ですが顆粒タイプは風などに煽られると飛んでいってしまうのでそういった点は注意が必要です。

液体タイプで散布

  1. 除草剤をジョウロに入れて準備
  2. 準備した除草剤の説明書通りに希薄(薄める)する
  3. 根元に向かってムラなくかつ全体が湿るように散布

顆粒タイプで散布

  1. 木の生える根元周辺の地面に均等にムラなく撒く
  2. 湿っている状態で効果を発揮するため、乾いている土であれば水を少し撒いて湿らせる

以上で完了です。これらは手間がかからない分、時間がかかるので枯れるまで根気強く待ちましょう。また風の影響で液体も顆粒も周辺に散らばってしまうと他の植物に影響してしまうので最大限注意しましょう。

切り口に薬品を塗布する方法

  1. 木を伐採する
  2. 除草剤を使用所通りに希薄する
  3. 刷毛などを使って切り口に除草剤を塗る
  4. 薬剤が乾かないようにビニール袋をかぶせる
  5. 紐でビニール袋が飛ばないようにキツく縛り付ける

この方法は伐採という手間がかかります。また2〜3日経ったら再度薬剤を塗るといった工程が必要になるので少しばかり手間になるでしょう。ですがしっかりと枯らすことができるので確実に枯らしたいという方にはオススメです。

幹に穴を開けて薬剤を注入する方法

  1. 除草剤を注入する穴をドリルで10cmくらい開ける
    除草剤が出てこないように斜め30〜40度くらい角度をつけて穴を開けるといいでしょう。木の大きさにもよりますが5〜6個穴を開けるようにしましょう。
  2. 開けた穴に除草剤を流し込む
    スポイトなどを使用して穴に薬剤を流し込みます。除草剤は薄めずに直接原液を使用しましょう。穴いっぱいになるまで流し込みます
  3. ビニールテープやラップで蓋をする
    雨水で薄まらないようにや流れ出てこないようにキツく蓋をして押さえます。

この方法では除草剤ではなく灯油でも代用できます。灯油では除草剤より効果が薄いのである程度時間がかかることを理解しておきましょう。

枯れるまでの期間は?

木が枯れるまでの期間は方法によって異なります。

巻き枯らしでは樹皮剥がしの方法だと半年〜1年が目安になります。ロープで縛りつける方法では木の成長も考慮しないといけないので2年以上は覚悟しましょう。

除草剤を使用した方法は1年を目安にしましょう。

木は草と違い大きく根も深いため枯れるまでに時間がかかります。それらを理解した上で枯らすようにしましょう。

木を枯らした時の注意点

木を枯らす時は効率的に枯らす方法を把握しておくのと同時に枯れた木による思わぬ被害、トラブルがあることも知っておきましょう。正しく対処しないと怪我や物、建物の破壊に繋がります。

薬剤師用の注意書きを

薬剤を注入したり塗布した場合、看板や貼り紙などで「薬剤使用中」などの注意喚起をするようにしましょう。思わぬ形で他人が触れてしまったりすることでトラブルを招く可能性があります。また子供などが謝って触れたり、口にしてしまうと大きな問題に発展します。注意喚起やロープで近づけないようにするなど最大限被害が生まれ内容ケアしていきましょう。

ひこばえに注意

しっかりと枯らすことで木の処分をするのであればひこばえと呼ばれる新芽の発芽を心配する必要はありませんが、伐採した後などの切り株にはひこばえが発生しやすいため切り株の放置は控えましょう。ひこばえが芽生えやすいのは以下の木です。

・銀杏(イチョウ)
・桜(サクラ)
・ポプラ
・楸(キササゲ)
・桑(クワ)

枯れて腐食した事による倒木

枯れた木は水分が抜けたことにより密度が薄くなっているので脆く危険です。強風などに煽られることで簡単に倒れたりします。そのため予想だにしていない倒木で家や車、または隣家を壊してしまうと修理代がかかったり最悪の場合、法的措置を取られる可能性もあります。こういった二次被害につながる可能性があるので注意が必要です。

また巻き枯らしの方法は木を腐食させる原因になることもあるので注意が必要です。腐食することにより害虫を発生する可能性もあります。腐食したいることがわかったらすぐ様伐採しないと様々な危険を引き寄せます。

シロアリ被害

枯れた木や腐食した木はシロアリが発生しやすくなります。シロアリが住み着いてしまうと倒木する可能性を招くだけでなく、住んでいる住宅までにシロアリが侵入する可能性もあります。シロアリが住み着くことで住宅の基礎部分をボロボロにしてしまい、生活をするのが困難になります。またシロアリ駆除は高額な費用がかかるので最大限注意しましょう。

木の処分は自治体などに確認を

枯らした木や切り株の処分はその地域によって処分方法が異なるので必ず自治体に確認するようにしましょう。基本的には自治体のホームページなどにルールなど決まり事が記載されているはずです。確認するのが難しいのであれば電話で問い合わせるのもいいでしょう。

丸太のようなサイズになると燃えるゴミとして出すことは難しくなるため、きっちりとルールを守り処分しましょう。業者に依頼するのが早くスムーズに解決するので業者に依頼する選択もいいでしょう。

まとめ

この記事では木の枯らし方を紹介しましたがいかがでしたでしょうか?

まず気をつけてほしいことは冒頭で説明したように塩や漂白剤などの使用はやめましょう。塩素系漂白剤は樹木の成長を妨げるためからすことができるといった事例もありますが塩素系漂白剤は他の成分のものと混ぜるととても危険で有毒ガスを発生させる可能性が大いにあります。特にアルカリ性の液体はとても危険です。そのためここで紹介した以外の方法できを枯らすのは避けましょう。

またここでは紹介していないですが切り株であれば腐葉土を使用して自然に分解し土に還す方法もあるので自然に処分したい場合はそういった方法もいいでしょう。夏場の湿度が高く蒸れる時期は害虫が発生しやすいので注意が必要です。

枯らすのは大変そうと感じるのであれば伐採、抜根がオススメです。自分でもできますが業者に頼むのもいいでしょう。人件費や作業費、伐採が難しい場所では特殊重機を使用する場面もあります。このように依頼内容によって金額が変わるので業者に依頼する際は詳細な見積もりを貰い冷静に依頼していいのか判断することをお勧めします。業者に依頼する時の注意点は以下の通りです。

・ホームページ、LPなどで誇大広告をしていないか
・現地調査、見積りは明朗かつ詳細に行い無料か
・対応スタッフは横柄でなく親切で信頼できるか
・事前に注意、報告もなく追加料金が発生しないか
・会社としての歴史も長く実績も多くあるか

それでも時間がかかっても自分で枯らして処分したい方はこの記事を参考にぜひ実践してみてください。

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